「リスキリングに使える助成金は、結局どれなのか」「うちの会社の研修は対象になるのか」「いつまでに申請すれば間に合うのか」。制度の名前が似ているうえ、会社向けと個人向けが同じ記事に並ぶため、自社に関係する制度を見分けにくいのが実情です。
この記事では、自治体や医師会、税理士、上場企業などで5,000人以上にAI研修を行ってきたメイカヒットが、会社が使えるリスキリング助成金の選び方を解説します。この記事を読むと、制度ごとの金額と期限、申請の前に社内で決める項目が分かります。
記事監修者

久保田 亮-株式会社メイカヒット代表
【経歴・実績】
・5,000人以上へのAI研修実績
・自治体・医師会・税理士・上場企業などで研修多数
・マーケターとしての取引企業500社以上
・マーケティング/広報顧問累計6社
・自社メディアでの販売実績10億円以上
・Webスクールメイカラ主宰
田中 凌平-株式会社メイカヒット代表
【経歴・実績】
・Notta公式アンバサダー
・AIを活用し生産性300%向上
・日本インタビュー協会認定インタビュアー
・年間150名以上の取材実績
・ラグジュアリーブランドで5年勤務

リスキリング助成金とは?会社向けの中心は人材開発支援助成金
リスキリング助成金とは、社員の学び直し(リスキリング)にかかる研修費や研修中の賃金の一部を、国や自治体が会社に支給する制度の呼び名です。会社向けの中心は、厚生労働省の人材開発支援助成金です。
厚生労働省の人材開発支援助成金のページでは、計画に沿って職務に関連した訓練を行った事業主に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度と説明されています。コースは7つあり、そのうち3つは建設業と障害者の訓練施設に向けたものです。
名前が似た制度に、働く人が自分で申し込む給付もあります。会社が申請する助成金とは窓口も条件も別なので、最初に分けて考えてください。
| 区分 | 主な制度 | 申し込む人 |
|---|---|---|
| 会社向け(国) | 人材開発支援助成金の4つのコース | 会社(都道府県の労働局へ) |
| 会社向け(東京都) | DXリスキリング助成金 | 都内の中小企業など(東京しごと財団へ) |
| 個人向け | 教育訓練給付金、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 | 働く本人 |
この記事では、会社が申請する制度を中心に説明します。個人向けの給付は、後半の「つまずきやすい点」で違いだけを整理しました(※2026年10月現在)。
リスキリング助成金の一覧:会社が使える4つのコースと金額
人材開発支援助成金のうち、業種を問わず使えるコースを、次の4つの観点から解説します。
・事業展開等リスキリング支援コース
・人材育成支援コース
・人への投資促進コース
・教育訓練休暇等付与コース
それぞれ見ていきましょう。
事業展開等リスキリング支援コース:助成率がもっとも高い
新しい事業やDX化(デジタルの技術で仕事の進め方を変える取り組み)に必要な知識を学ばせる訓練に使うコースです。中小企業には、経費の75%と1人1時間1,000円の賃金助成が出ます。大企業は60%と500円で、数字は令和8年度版のリーフレットで確かめました。
対象は10時間以上のOFF-JT(仕事と分けて行う訓練)で、次の3つのどれかに当たるものに限られます。
- 新しい事業を始めるために必要な訓練
- 社内のDX化やGX化(脱炭素の取り組み)を進める業務に必要な訓練
- 人事と人材育成の計画にもとづき、3年以内に就く予定の職務に必要な訓練
受講者1人あたりの経費助成には上限があり、中小企業は訓練の時間数に応じて30万円・40万円・50万円です。eラーニング(好きな時間に動画などで受ける研修)と通信制は賃金助成がなく、上限も15万円に下がります。1事業所が1年度に受け取れる額は1億円までです。
リーフレットには、1人30万円・30時間の訓練を中小企業の3人が受けた例が載っています。この例の助成額は、経費助成が67.5万円、賃金助成が9万円でした。
同じ例には、中小企業だけが使える設備投資加算も載っています。訓練で使った機器と同じ種類の機器を買い、賃上げなどの要件も満たした場合に、導入費用の50%(対象の労働者1人につき15万円まで)が上乗せされる仕組みです。
人材育成支援コース:職務に関連した訓練に幅広く使える
新しい事業やDX化に当たらない研修は、人材育成支援コースの人材育成訓練が候補になります。正社員向けの経費助成は中小企業で45%、賃金助成は1人1時間800円です。
人材育成支援コースの案内では、訓練のあとに賃上げなどの要件を満たした会社に、経費助成15%と賃金助成200円が加算されます。対象は10時間以上のOFF-JTで、1事業所の1年度の上限は1,000万円です。
人への投資促進コース:定額制の研修サービスに使える
定額で受け放題の研修サービスを社員に使わせるなら、人への投資促進コースの定額制訓練が合います。人への投資促進コースの案内では、経費助成は中小企業が60%、大企業が45%です。
定額制訓練に賃金助成はなく、上限は受講者1人につき1か月2万円と決まっています。同じコースには、ITスキル標準(ITの仕事に要る力を段階で示した指標)のレベル3・4に当たる高度な訓練に、中小企業で75%を助成するメニューもあります。
教育訓練休暇等付与コース:休暇の制度を作った会社に定額
このコースは研修費への助成ではなく、学ぶための休暇の制度づくりへの助成です。3年間に5日以上取れる有給の教育訓練休暇制度を新しく導入し、実際に適用した事業主に30万円が支給されます。
教育訓練休暇等付与コースの詳細版パンフレットでは、支給は1事業主につき1度限りです。すでに教育訓練休暇制度を導入している会社は対象になりません。
| コース | 向いている研修 | 中小企業への助成 |
|---|---|---|
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新しい事業やDX化の担当業務に必要な訓練(10時間以上) | 経費の75%、賃金は1人1時間1,000円 |
| 人材育成支援コース(人材育成訓練) | 職務に関連した訓練(10時間以上) | 経費の45%(正社員の場合)、賃金は1人1時間800円 |
| 人への投資促進コース(定額制訓練) | 定額で受け放題の研修サービス | 経費の60%(1人1か月2万円まで) |
| 教育訓練休暇等付与コース | 有給の教育訓練休暇制度の導入 | 30万円(1事業主1度限り) |
表は中小企業の通常の助成率です。賃上げなどの要件による加算と大企業の率は、各コースの案内で確かめてください(※2026年10月現在)。
リスキリング助成金はいつまで?2026年度までのコースと8月の変更
期限は制度ごとに違います。事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースは、2026年度(令和8年度)までの期間限定です。
事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレット(2026年8月3日版)の表紙に、令和4年〜8年度の期間限定の助成金として創設したと書かれています。人への投資促進コースも、先ほどの案内で令和4〜8年度の期間限定とされていました。
2027年度以降は、コースの形が変わる案が出ています。厚生労働省の令和9年度概算要求の概要(2026年8月)では、人材開発支援助成金を「訓練実施コース」と「休暇制度導入コース」に組み直した表が示されました。この表に、事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースの名前はありません。
表にある一般訓練の経費助成率は45%(賃上げなどの要件を満たすと60%)です。ただし概算要求は予算を求める段階の案で、決まった内容ではありません。年度末に近い時期に始める研修は、計画届(訓練を始める前に労働局へ出す書類)を出す前に労働局へ確かめてください(※2026年10月13日時点)。
2026年8月3日から、対象になる訓練がしぼられた
事業展開等リスキリング支援コースは、2026年8月3日以降に出す計画届から条件が変わりました。変更点のリーフレットでは、DX化やGX化の訓練のうち、職務に間接的に必要な知識を学ぶ内容は助成の対象外です。職種を問わず共通して必要な内容も、同じ扱いになりました。
| リーフレットに載っている訓練の例 | 扱い |
|---|---|
| 生成AIを使った商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練 | 助成対象 |
| 生成AIを利用するために汎用的なプロンプト(AIへの指示の文)の作り方を学ぶ訓練 | 助成対象外 |
| DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練 | 助成対象外 |
受講の回数の決まりも変わりました。同じ労働者が助成を受けられるのは、これまでどおり1年度に3回までです。8月3日以降に出す計画届からは、そのうちeラーニングの訓練が1回までになりました。
この変更には経過措置(変更の前に契約などを済ませた会社向けの特例)があります。8月2日以前に研修会社と契約や申し込みを済ませた訓練は、扱いをパンフレットで確かめてください。AI研修での見分け方は、AI研修に使える助成金の条件と申請の流れで詳しく解説しています。
東京都のDXリスキリング助成金:10時間未満の研修が対象
東京都内の中小企業には、東京しごと財団のDXリスキリング助成金もあります。令和8年度の募集要項では、助成額は対象経費の4分の3です。上限は受講者1人1研修につき75,000円で、1社あたりでは100万円と決まっています。
国のコースと大きく違うのは研修の長さで、対象は3時間以上10時間未満の研修です。10時間以上が条件の人材開発支援助成金とは、研修の時間で使い分ける形になります。
対象は、都内に本社か事業所がある中小企業などです。受講者は都内の事業所に常時勤務する従業員に限られ、定額制の研修は対象になりません。同じ研修で国やほかの自治体の助成を受ける場合も、対象から外れます。
東京しごと財団の募集要項のページ(2026年7月29日更新)では、交付申請書の受付期間は2026年3月1日から2027年2月28日までです。申請の期限は研修開始予定日の1か月前です。先ほどの募集要項では、2027年3月31日までに始める研修が対象とされています。
募集要項には、予算の範囲を超えた場合は受付期間内でも受付を終了することがあると書かれています。2026年10月13日時点で、このページに受付終了の案内は出ていませんでした。
| 比べること | 事業展開等リスキリング支援コース(国) | DXリスキリング助成金(東京都) |
|---|---|---|
| 研修の時間 | 10時間以上 | 3時間以上10時間未満 |
| 経費への助成(中小企業) | 75%(1人30万〜50万円まで) | 4分の3(1人1研修75,000円まで) |
| 賃金への助成 | 1人1時間1,000円 | なし |
| 申請の期限 | 訓練開始日の6か月前から1か月前まで | 研修開始予定日の1か月前まで |
| 窓口 | 都道府県の労働局 | 東京しごと財団 |
表の東京都の欄は令和8年度の募集要項、国の欄は先ほどの令和8年度版のリーフレットをもとにしています。東京都の募集要項に賃金への助成の項目はありません(※2026年10月現在)。
リスキリング助成金の選び方:研修の時間・中身・受け方で決める
どの制度を選ぶかは、研修の時間・中身・受け方の3つで決まります。次の表に、自社で考えている研修を当てはめてください。
| 自社の研修 | 候補になる制度 |
|---|---|
| 10時間以上で、新しい事業やDX化の担当業務に使う内容 | 事業展開等リスキリング支援コース |
| 10時間以上で、今の職務に関連した内容 | 人材育成支援コース |
| 定額で受け放題の研修サービスを使う | 人への投資促進コース(定額制訓練) |
| 3時間以上10時間未満のDXの研修(都内の中小企業など) | 東京都のDXリスキリング助成金 |
| 学ぶための有給の休暇制度を新しく作る | 教育訓練休暇等付与コース |
当社では、AI研修は「受ける人の仕事のどの作業に使うか」を先に決めると、コースを選びやすくなると考えています。8月の変更で、事業展開等リスキリング支援コースのDX化の訓練は、職務の具体的な作業に使う内容にしぼられたためです。
たとえば営業担当者が提案書づくりにAIを使う12時間の研修なら、国のコースが候補に挙がります。全社員向けの2時間の基礎講座は、時間の条件で、ここに挙げた研修費の助成には当てはまりません。

研修の中身から先に決めたい方は、中小企業に合うDX研修の内容と費用もあわせてご覧ください。
人材開発支援助成金の申請の前に、社内で決める6つのこと
人材開発支援助成金は、訓練を始める前に計画届を出す制度です。次の6つを先に社内で決めると、計画届の中身が書きやすくなります。
- 誰が受けるか(雇用保険に入っている社員か)
- その人のどの仕事に使うか(職務と研修の中身のつながり)
- 研修は何時間か(10時間以上か、10時間未満か)
- いつ始めるか(計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前まで)
- 勤務時間の中で受けさせるか(賃金助成の対象は、会社が決めた勤務時間の中の賃金)
- 研修費を会社が先に全額払えるか(支給申請までに経費の全額を支払う)
計画届の前に済ませる準備が2つあります。1つは社内で人材育成を進める担当(職業能力開発推進者)の選任、もう1つは育成の方針をまとめた事業内職業能力開発計画の作成と社員への周知です。どちらも、先ほどの令和8年度版のリーフレットで手続きの最初の段階とされています。
事業展開等リスキリング支援コースでは、計画届と一緒に「事業展開等実施計画」も出します。新しい事業やDX化の中身を書く書類なので、チェックリストの2つ目(どの仕事に使うか)は、具体的な作業の名前まで決めておくと安心です。
手続きは、計画届の提出から訓練の実施、支給申請の順に進みます。支給申請の期限は訓練終了日の翌日から2か月以内で、助成金が入るのは研修費を払い終えたあとです。

申請先は、都道府県労働局の窓口です。雇用関係助成金ポータルから電子申請もでき、その場合はGビズID(国の手続きに使う会社用のID)が必要になります。
報酬を得て申請書の作成や提出の代行ができるのは、社会保険労務士だけです。事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレットにも、研修会社などが報酬を得て手続きを行うことは法律で禁止されていると書かれています。
無料で代行するとうたう研修会社でも、受講料に手続きの対価が含まれると見なされれば同じ問題になるという注意もありました。申請は、自社で行うか社会保険労務士に依頼してください。
法人向けの研修の中身や費用の決まり方を知りたい方は、法人向けAI研修の選び方と費用も参考にしてください。
人材開発支援助成金をAI研修で使う前の整理は、AIに手伝わせる
社内のメモを制度の条件と照らす作業は、ChatGPTなどの生成AIに下書きさせると早く進みます。AIに任せるのは整理までで、対象になるかどうかの判断は労働局に確かめます。
下の頼み方は、条件の欄を公式の案内から書き写して使う形です。社内メモは説明のために作った架空の例です。当社のお客さまの事例ではありません。
頼み方の例
あなたは、会社の研修担当の整理を手伝う役です。下の【社内メモ】を【制度の条件】と照らして、整理してください。
【出してほしいもの】
1. 社内メモの研修を、「誰が/どの仕事のために/何を学ぶ/時間/いつから/費用」の表にする
2. 研修ごとに、条件に合いそうな制度の名前と、その理由を1行ずつ書く。合うか分からないときは「窓口に確かめる」と書き、何を確かめるかを添える
3. 計画届や申請の前に社内で決めておくことを、質問の形で5つまで並べる
【守ること】
・メモに無いことを推測で埋めない。分からない欄は「未定」と書く
・助成される金額は計算しない
・【制度の条件】に無い条件を足さない
・です・ます調で、短い文で書く
【制度の条件】(2026年10月時点。厚生労働省と東京しごと財団の案内から)
・事業展開等リスキリング支援コース:10時間以上のOFF-JT(仕事と分けて行う訓練)。新しい事業、DX化、3年以内に就く予定の職務のための訓練が対象。DX化の訓練は、受ける人の職務の具体的な作業に使う内容に限る。汎用的なプロンプトの作り方や、DXの概念を学ぶ内容は対象外。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前まで
・人材育成支援コース(人材育成訓練):10時間以上のOFF-JT。職務に関連した知識や技能の訓練。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前まで
・人への投資促進コースの定額制訓練:定額で受け放題の研修サービスが対象
・東京都のDXリスキリング助成金:都内の中小企業等が対象。3時間以上10時間未満の研修。申請は研修開始予定日の1か月前まで
【社内メモ】
・社員28人の食品の卸売会社。本社は埼玉県
・営業6人に、生成AIで提案書と見積もりの説明文を作る研修を受けさせたい。講師に来てもらって2日間、合わせて12時間
・事務4人には、受注のメールをAIで読み取って入力を減らす方法を学ばせたい。時間は未定
・全社員に、AIの基本と情報漏洩の注意を2時間で教えたい
・始めたいのは来年1月。費用は見積もり待ち
この頼み方を、前のやり取りがない新しい会話で1回実行しました。出力は3つの部分に分かれており、下はそのうち2と3からの抜粋です。
出力の例(全体の一部を抜粋)
2. 条件に合いそうな制度
営業6人の研修
・事業展開等リスキリング支援コース:12時間で10時間以上を満たし、提案書と見積もりという職務の作業に使う内容だからです。
・人材育成支援コース(人材育成訓練):12時間で、職務に関連した技能の訓練だからです。
・窓口に確かめる:仕事と分けて行うOFF-JTと認められるか、内容が「汎用的なプロンプトの作り方」と見られないか、の2点です。
・東京都のDXリスキリング助成金:12時間は「10時間未満」に合いません。
全社員の研修
・今の条件では、合う制度が見当たりません。
・2時間のため、10時間以上の2つのコースに合いません。
・AIの基本は、事業展開等リスキリング支援コースで対象外とされる「概念を学ぶ内容」に近いです。
・東京都のDXリスキリング助成金は「3時間以上」に届きません。
・定額制訓練は、定額で受け放題のサービスが対象です。メモにその予定はありません。
3. 申請の前に社内で決めておくこと
1. 研修を始める日は、1月の何日にしますか。
2. 事務4人の研修は、何時間にしますか。10時間以上にしますか。
3. 営業と事務の研修は、通常の仕事と分けて行えますか。場所と時間帯はどうしますか。
4. 研修の内容は、本人が実際に行う作業に使うものに絞れますか。講師にカリキュラムを出してもらえますか。
5. 全社員の2時間の研修は、助成を使わずに行いますか。
出力では、12時間の研修と2時間の研修で候補が分かれ、決め切れない点は「窓口に確かめる」に回っていました。一方で、東京都の制度は研修の時間だけで外されており、本社が埼玉県という点には触れていません。AIの答えは制度の判断ではないため、表と質問をそのまま持って労働局に相談する使い方が向いています。
【制度の条件】の欄は、2026年10月時点の案内をもとに当社が短くまとめたものです。使うときは、最新のパンフレットを見て書き換えてください。
リスキリング助成金でつまずきやすい3つの点
リスキリング助成金でつまずきやすい点を、次の3つの観点から解説します。
・「実質無料」をうたう勧誘
・研修を始めたあとの申請
・個人向けの給付との混同
それぞれ見ていきましょう。
「実質無料」をうたう勧誘には乗らない
助成金を使っても、研修費が無料になることはありません。先ほどの人材開発支援助成金のページには「訓練経費」は無料になりませんという注意が出ています。
事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレットによると、研修会社から返金を受けるなどして会社が経費の全額を負担していない場合は、支給の要件を満たしません。不正受給と判断されると、事業主の名前が公表されることもあります。
研修を始めたあとでは申請できない
計画届の期限は訓練開始日の1か月前までなので、研修を始めてから申請する方法はありません。東京都のDXリスキリング助成金も、交付決定の前に実施した研修は対象外です。
研修会社を決めたら、開始日から逆算して1か月半ほど前には書類をそろえ始めると、期限に間に合わせやすくなります。この目安は当社の考えで、制度で決まった日数ではありません。
個人向けの給付と混同しない
個人向けの給付は、働く本人が講座を選んで申し込む制度です。会社が社員に受けさせる研修の費用を、会社が受け取る仕組みではありません。
| 個人向けの制度 | 支給の中身 | 所管 |
|---|---|---|
| 教育訓練給付金(専門実践教育訓練) | 受講費用の50%(年間上限40万円)。条件を満たすと最大80%(年間上限64万円) | 厚生労働省 |
| 教育訓練給付金(特定一般・一般教育訓練) | 特定一般は40%(上限20万円)。条件を満たすと50%(上限25万円)。一般は20%(上限10万円) | 厚生労働省 |
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 | 受講費用の2分の1相当(上限40万円)。転職して1年働き続けると5分の1相当(上限16万円)を追加 | 経済産業省 |
出典:厚生労働省|教育訓練給付金、経済産業省|リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
キャリアアップ支援事業は、在職中の人が転職を目指して講座を受ける制度です。補助金は講座を提供する事業者に支給され、受講者はその分だけ軽くなった価格で受講します。
リスキリング助成金に関するよくある質問
まとめ:リスキリング助成金は研修の時間と中身で選ぶ
- 会社が使うリスキリング助成金の中心は、厚生労働省の人材開発支援助成金
- 助成率がもっとも高い事業展開等リスキリング支援コースは、2026年度までの期間限定
- 2026年8月3日から、職務の具体的な作業に使わない内容は対象外になった
- 10時間未満の研修は、都内の中小企業なら東京都のDXリスキリング助成金が候補
- 計画届は訓練開始日の1か月前までで、申請の代行ができるのは社会保険労務士だけ
まずは考えている研修を1つ選び、チェックリストの6つの項目を紙に書き出してみてください。
自分の会社ではどの研修から始めればよいか、次の案内も参考にしてください。

メイカヒットでは、企業向けのAI研修と、AI経営顧問を行っています。
- AI研修:社員の方が安全にAIを使えるよう、入力してよい情報の決め方や設定の確かめ方まで、実際の画面で操作しながら学びます。これまでに5,000人以上が受講し、自治体や医師会、税理士、上場企業などでも研修を行っています。研修の内容を見る
- AI経営顧問:営業・事務・採用・社内の質問への回答など、会社の業務のうちAIに任せられる部分を、会社の仕組みとして作ってお渡しし、社員の方が使えるようになるまで一緒に進めます。
「うちの会社の場合はどう進めればよいか」といったご相談も、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。お問い合わせ種別は「AI導入・研修」を選んでください。

