Geminiの情報漏洩は防げる?有料版とWorkspaceの違いと安全に使う設定

Geminiの情報漏洩を防ぐために、個人のアカウントと会社のWorkspaceの違いと安全に使う設定を解説する記事のアイキャッチ

「Geminiに入力した会社の情報が、外に漏れないか不安」
「有料版にすれば、入力した内容は学習に使われなくなるのか」
「社員が個人のアカウントで使い始めたが、何を決めればよいか分からない」

Geminiは、使うGoogleのアカウントの種類で入力した内容の扱いが変わるため、分かりにくいのが実情です。この記事では、自治体や医師会、税理士、上場企業などで5,000人以上にAI研修を行ってきたメイカヒットが、Geminiの情報漏洩を防ぐ方法を解説します。

この記事を読むと、個人と会社のアカウントの違いと安全に使う設定、社内ルールに入れる項目が分かります。

記事監修者

久保田 亮(株式会社メイカヒット代表)
AI研修 のべ5,000人

久保田 亮|株式会社メイカヒット 代表取締役

【経歴・実績】
・自治体・医師会・税理士法人・上場企業などで、のべ5,000人にAI研修
・某教育委員会でAIコーディネーターとして活動中
・マーケターとして500社以上と取引
・元テレビ局の報道記者(5年)
・AIハッカソンで世界1位の実績あり(事業計画ツールを作成)
・AIとマーケティングが学べるサロン「メイカラ」主宰

目次

【結論】Geminiの情報漏洩は、アカウントの種類と設定で防ぐ

仕事で使うアカウントを決めていくつかの設定を確かめれば、Geminiから情報が漏れる経路の多くは小さくできる、というのが当社の考えです。Geminiが会社の情報を勝手に公開するわけではありません。情報が漏れるきっかけは、入力した内容の扱いと設定のすき間にあります。

最初に押さえたいのは、個人のGoogleアカウントで使うGeminiと、会社のGoogle Workspaceのアカウントで使うGeminiの違いです。Google Workspace(以下、Workspace)は、GmailやGoogleドキュメントを会社で使うためのGoogleの有料のサービスを指します。

この記事では、gemini.google.comやスマートフォンのアプリで使うGeminiを「Geminiアプリ」と呼びます。表に出てくる[アクティビティの保存]は、会話の記録を残すかどうかを決める個人のアカウントの設定です。2つのアカウントの違いをまとめると、次の表のとおりです。

項目個人のアカウント(無料版・有料版)会社のアカウント(Workspaceの対象の版)
AIの学習への利用[アクティビティの保存]がオンなら、AIモデルの改良に使われる許可なく組織の外で、AIモデルのトレーニングに使われない
人による確認会話の一部を、人間のレビュアーが確かめることがある人による確認はされない
会話を保存する期間初期設定は18か月で自動削除。3か月・36か月・削除しないに変えられる管理者が決める(Geminiアプリは3か月・18か月・36か月、初期設定は18か月)
設定を決める人使う人本人会社の管理者

表は、Googleの個人向けと会社向けの2つのプライバシーハブ(データの扱いをまとめた公式のページ。後でスクリーンショットを紹介)を、2026年10月18日に確かめてまとめたものです。

社外に出せない情報は会社のアカウント(Geminiアプリがコアサービスの版)のGeminiだけで扱い、個人のアカウントには入れないと決めるのがいちばん確かな進め方だと、当社では考えています。

Geminiに入力した内容はどう扱われる?個人と会社のアカウントの違い

Geminiに入力した内容の扱いを、次の4つの観点から解説します。

入力した内容の扱い

・個人のアカウントでは、入力した内容を人が確かめることがある
・有料版でも、個人のアカウントなら個人向けの扱いになる
・会社のアカウントでは、人の確認がなく、許可なく学習にも使われない
・会社のアカウントでも、契約の版によって扱いが変わる

それぞれ見ていきましょう。

個人のアカウントでは、入力した内容を人が確かめることがある

個人のアカウントのGeminiアプリでは、入力した内容の一部を人が読み、AIの改良に使うことがあります。Googleの「Geminiアプリのプライバシーハブ」には、人間のレビュアー(会話を読んで評価する人)がデータの一部をレビューすることがあると書かれています。

人が確かめた会話は、アカウントから切り離したうえで最長3年保存される仕組みです。後からアクティビティ(会話の記録)を消しても、確かめ終わった会話は消えません。

Googleの「Geminiアプリのプライバシーハブ」のデータの使用方法で、人間のレビュアーがデータの一部をレビューすることがあり、機密情報は入力しないよう求めている部分のスクリーンショット
出典:Google|Gemini アプリのプライバシー ハブ(2026年10月18日に撮影)

人の確認やAIの改良に使われないようにするには、設定の[アクティビティの保存]をオフにします。ただし、オフにしても今後の会話は72時間保存され、応答や安全を守る目的で人が確かめることはあると説明されています。

有料版でも、個人のアカウントなら個人向けの扱いになる

Google AI Proなどの有料プランに入っても、個人のアカウントで使う限り、入力した内容の扱いは個人向けの説明のとおりです。会社向けの扱いを説明したプライバシーハブは、Workspaceの対象の版で使う場合にだけ当てはまると書かれているからです。

Googleの定期購入のページでは、個人向けのGoogle AI Proは月2,900円と案内されています(2026年10月18日時点)。有料プランで増えるのは使える量や機能で、データの扱いが会社向けに切り替わるとは書かれていません。個人向けのプライバシーハブも、Google AIプランの有料の定期購入の情報を、扱うデータの1つに挙げています。

課金するかどうかの判断は、生成AIの有料プランの選び方の記事でくわしく解説しています。

会社のアカウントでは、人の確認がなく、許可なく学習にも使われない

Workspaceの会社のアカウントで使うGeminiでは、入力した内容が人に確かめられることはありません。許可なく組織の外でAIの学習に使われることもないと、Googleの「Google Workspaceの生成AIに関するプライバシーハブ」に明記されています。

Googleの「Google Workspaceの生成AIに関するプライバシーハブ」で、Geminiとのやり取りが組織外に開示されず、コンテンツが人間にレビューされず許可なくトレーニングに使われないと示した部分のスクリーンショット
出典:Google Workspace Help|Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ(2026年10月18日に撮影)

会話を保存する期間も、会社の管理者が決めます。Geminiアプリは3か月・18か月・36か月から選べ、Gmailやドキュメントの横の欄で使うGeminiは90日から無期限の間で設定する仕組みです。

Geminiは、使う人に見る権限がないファイルやメールは読みに行きません。裏を返すと、社内の共有の設定が広すぎれば、本来は見せたくない資料もGeminiの答えに使われることになります。

会社のアカウントでも、契約の版によって扱いが変わる

会社のアカウントなら必ず会社向けの扱いになるわけではありません。Business StarterやBusiness Standardなどの版では、Geminiアプリは会社向けの扱いの「コアサービス」です。

一方、Workspace Individual(個人事業主向けの版)など一部の版では、Geminiアプリは「追加サービス」の扱いになります。Googleの管理者向けヘルプによると、追加サービスとして仕事で使う人の会話は、アクティビティがオンのとき改善と開発に使われます。

どの版を契約しているかは、Workspaceの管理者に確かめてください。迷ったときの見分け方は、次の図のとおりです。

使っているGeminiが会社のアカウントか、Workspaceのコアサービスの版かを順に確かめ、どちらかが当てはまらなければ会話が改善に使われることがあるため、保存の設定をオフにする流れを示した図

図の「個人向けの扱い」には、会話が改善に使われることがある追加サービスの版もまとめています。追加サービスの版では、会話の保存の設定を管理者と確かめてください。

Geminiで情報が漏れる4つの経路と、確かめられている事例

Geminiで情報が漏れる経路を、次の4つの観点から解説し、最後に公式に確かめられている事例を紹介します。

情報が漏れる4つの経路

・入力した内容が、人の確認やAIの改良に回る
・公開リンクを作ると、リンクを知る人は誰でも読める
・アプリ連携や外部のサービスから、情報が広がる
・アカウントの乗っ取りと、広すぎる共有の設定

それぞれ見ていきましょう。

入力した内容が、人の確認やAIの改良に回る

1つ目は、個人のアカウントで入力した内容が、人の確認やAIの改良に回る経路です。外に公開されるわけではありませんが、会社の外の人が読むことになるため、社外秘の情報では避けたい扱いです。

顧客の名前や契約の金額などは、この経路を考えて最初から入れないでください。先ほどの個人向けのプライバシーハブも、レビュアーに見られたくない機密情報は入力しないよう求めています。

公開リンクを作ると、リンクを知る人は誰でも読める

2つ目は、会話の共有で作る公開リンク(会話をほかの人に見せるためのURL)です。Geminiのチャットの共有のヘルプでは、リンクを知っている人なら誰でも会話を読んだり、ほかの人に再共有したりできると説明されています。

会話を消したときに公開リンクも消えるかは、Googleのヘルプの中でも説明が分かれています。公開リンクは、[設定とヘルプ]の[公開リンク]から1つずつか、まとめて削除してください。社内の人に会話を見せたいときも、公開リンクではなく、内容を社内の文書に写して共有する方が安全です。

アプリ連携や外部のサービスから、情報が広がる

3つ目は、アプリ連携(GeminiをGmailやほかの会社のサービスにつなぐ機能)です。頼んだ作業をこなすために、必要な情報がつないだ先のサービスに渡り、ほかの会社のサービスではその会社の決まりで扱われます。

先ほどの個人向けのプライバシーハブには、Googleはユーザーが独自につないだほかの会社のアプリのデータを監視も保護もしないと書かれています。つなぐのは、会社が使ってよいと決めたサービスだけにしてください。

アカウントの乗っ取りと、広すぎる共有の設定

4つ目は、Geminiの外にある管理のすき間です。アカウントを乗っ取られれば、保存された会話はそのまま読まれます。会社のアカウントでは、ドライブの共有の範囲が広すぎると、Geminiの答えに見せたくない資料が混ざります。

4つの経路と、それぞれを小さくする設定をまとめたのが次の図です。

Geminiで情報が漏れる4つの経路(人の確認・公開リンク・アプリ連携・アカウントと共有の設定)と、それぞれを小さくする設定を並べた図

Geminiの情報漏洩の事例(公式に確かめられたもの)

当社が2026年10月18日に調べた範囲では、Geminiで会社の情報が実際に漏れたと、公的機関や当事者の会社が公式に発表した事例は見つかりませんでした。代わりに、情報が漏れるおそれのあった弱点が公表され、修正された例があります。

セキュリティ会社のTenableは2025年9月30日、Geminiの3つの脆弱性(ソフトの弱点)をTenableの公式ブログで公表しました。そのうちの1つは、Webの閲覧の機能を悪用し、利用者が保存した情報や位置情報を持ち出せるものでした。3つとも、Googleが修正済みと書かれています。

公的な機関も、AIの使い方をめぐる危険を重く見ています。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて入りました。ChatGPTで起きた事例は、ChatGPTの情報漏洩の記事で紹介しています。

Geminiで情報漏洩しないための設定(個人のアカウント)

個人のアカウントでGeminiを使うときは、次の5つの設定を確かめます。手順は、パソコンのgemini.google.comの画面のものです(2026年10月18日時点)。

  1. [アクティビティの保存]をオフにする:[設定とヘルプ]から[アクティビティ]を開き、上部の[オン]を押して[オフにする]を選ぶ。過去の会話も消すなら[オフにしてアクティビティを削除]を選ぶ
  2. 残さなくてよい会話は、一時チャット(履歴に残らない会話)で始める(AIの改良には使われず、アカウントに保持されるのは72時間。安全を守る目的の確認はある)
  3. 作った公開リンクを消す:[設定とヘルプ]の[公開リンク]で、要らないリンクを削除する
  4. アクティビティを残すなら、自動削除の期間を3か月に短くする
  5. 使っていないアプリ連携を切る

1つ目の手順は、Googleの「Geminiアプリのアクティビティを管理、削除する」で確かめられます。18歳以上のユーザーは、[アクティビティの保存]が初期設定でオンになっている点に注意してください。

[アクティビティの保存]をオフにすると、電話やメッセージなどを除き、Gmailやドライブなどとのアプリ連携は使えなくなります。設定を変えても人が確かめ終わった会話は残るため、社外に出せない情報を最初から入れないのが基本です。

先ほどのヘルプでは、Googleのマイアクティビティの[Geminiアプリ アクティビティ]からも設定を確かめられると説明されています。スマートフォンでは、ブラウザでマイアクティビティを開いて確かめてください。

会社でGeminiを使うときに、管理者が確かめること

Workspaceで社員にGeminiを使わせる会社は、管理者が次の5つを確かめます。どれも管理者が設定で決められる項目です。

確かめること理由
社員に会社のアカウントでGeminiを使わせる個人のアカウントでは、会社向けの扱いにならない
契約の版で、Geminiアプリがコアサービスか追加サービスの版では、会話が改善に使われることがある
会話の履歴を保存するか、保存する期間管理者が3か月・18か月・36か月か、保存しないを選べる
会話の共有(公開リンク)を許すか管理者が会話の共有をオンかオフに切り替えられる
ドライブやメールの共有の範囲Geminiは、その人が見られる資料を答えに使う

Geminiアプリそのものを社員に使わせない設定も、先ほどの管理者向けヘルプで説明されています。ドライブの共有の範囲は、Geminiを使い始める前に見直しておくと安心です。

Geminiの社内ルール(マニュアル)に入れる7つの項目

Geminiを会社で使うなら、設定と合わせて、社員が迷わないための社内ルールを作ります。2023年6月の個人情報保護委員会の注意喚起も、生成AIに個人情報を入れるときは利用目的の範囲かを確かめ、学習に使われないかを確かめるよう呼びかけています。

Geminiを使うときに社内ルールへ入れる項目は、次の7つです。

項目決めることの例
1. 使ってよいアカウント仕事は会社のアカウントだけで使う。個人のアカウントは仕事に使わない
2. 入れてよい情報・入れない情報公開済みの情報は入れてよい。顧客の名前や連絡先、社員の情報、発表前の数字は入れない
3. 個人のアカウントの設定[アクティビティの保存]をオフにし、残さない会話は一時チャットで行う
4. 公開リンクと共有公開リンクは作らない。作ってしまったら、その日のうちに消す
5. アプリ連携会社が許したサービスだけをつなぐ
6. 答えの確かめ方社外に出す文書は、人が中身と数字を確かめてから使う
7. 入れてしまったときの報告すぐに担当者へ伝える。消す前に、何をいつ入れたかを控える

2つ目の線引きは、迷う情報を「入れない」側に寄せておくと、現場の判断がぶれにくくなります。ルールを作る手順や国の資料の使い分けは、生成AIのガイドラインの作り方の記事にまとめました。

当社では、AI研修やAI経営顧問の中で、AIの利用ルール(社内マニュアル)づくりも一緒に進めています。研修で扱うリスク対策の中身は、AI研修で教える情報漏洩の対策の記事で確かめてください。

Geminiに会社の情報を入力してしまったときの対処

社外に出せない情報をGeminiに入れてしまったときは、次の順で動きます。

  1. 何を、いつ入れたかを控える(会話の日時と中身)
  2. 社内の担当者か上司に報告する
  3. 個人のアカウントなら、その会話を削除し、公開リンクを作っていれば削除する
  4. 会社のアカウントなら、管理者に伝えて対応を決める
  5. 個人情報が入っていたときは、社内の個人情報の担当者が対応を判断する

削除しても、人が確かめ終わった会話は最長3年残ります。消したから大丈夫と考えず、報告を先にしてください。

Geminiの情報漏洩に関するよくある質問

無料版のGeminiを仕事に使っても大丈夫ですか?

社外に出せない情報を入れないと決めたうえでなら使えます。人が会話を確かめることがあるため、顧客の情報や社内の資料は、コアサービスの版の会社のアカウントで扱ってください。

有料版のGeminiなら、情報漏洩の心配はありませんか?

個人のアカウントの有料プラン(Google AI Proなど)でも、無料版と同じ個人向けの扱いのため、心配はなくなりません。会社向けの扱いになるのは、Workspaceの対象の版の会社のアカウントです。

[アクティビティの保存]をオフにすれば安全ですか?

AIの改良や人の確認に回る範囲は小さくなりますが、オフにしても会話は72時間保存されます。安全を守る目的の確認はあるため、公開リンクとアプリ連携も合わせて見直してください。

Geminiに入れてはいけない情報は何ですか?

顧客や社員の個人情報、パスワード、発表前の数字や契約の中身などです。社内ルールの7つの項目のうち「入れてよい情報・入れない情報」に、自社の例を書き足して使ってください。

Gemini Notebook(旧NotebookLM)も同じ扱いですか?

会社のアカウントで使う場合は、同じWorkspaceのプライバシーハブの対象です。個人のアカウントで使うときの注意は、Gemini Notebookの情報漏洩の記事でまとめています。

まとめ|Geminiは、アカウントと設定を決めてから使おう

  • 個人のアカウントのGeminiは、無料版も有料版も、会話を人が確かめることがある
  • 会社のアカウントのGeminiは、人の確認もなく、許可なく学習に使われない(契約の版を確かめる)
  • 個人のアカウントでは、[アクティビティの保存]・一時チャット・公開リンク・アプリ連携を見直す
  • 会社では、使ってよいアカウントと入れない情報を社内ルールに書き、入れてしまったときの報告の流れも決める

まずは、社員がどのアカウントでGeminiを使っているかを確かめるところから始めてください。

自分の会社ではどこから決めればよいか、次の案内も参考にしてください。

AI研修・AI経営顧問|AIの使い方と社内のルールづくりを一緒に考えます(お問い合わせフォームへ)

メイカヒットでは、企業向けのAI研修と、AI経営顧問を行っています。

  • AI研修:社員の方が安全にAIを使えるよう、入力してよい情報の決め方や設定の確かめ方まで、実際の画面で操作しながら学びます。これまでに5,000人以上が受講し、自治体や医師会、税理士、上場企業などでも研修を行っています。研修の内容を見る
  • AI経営顧問:営業・事務・採用・社内の質問への回答など、会社の業務のうちAIに任せられる部分を、会社の仕組みとして作ってお渡しし、社員の方が使えるようになるまで一緒に進めます。

「うちの会社の場合はどう進めればよいか」といったご相談も、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。お問い合わせ種別は「AI導入・研修」を選んでください。

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