日報をAIで集計・要約する方法|書く手間と読む手間を減らす手順と頼み方

日報をAIで集計・要約する方法として、日報の項目のそろえ方と、1週間分を社長向けのまとめにする頼み方を解説する記事のアイキャッチ

「日報を書くのに毎日時間がかかっている」「全員の日報を読み切れず、大事な報告を見落としていないか心配」「AIで日報をまとめると聞くが、何をどう頼めばよいのか分からない」。日報は書く人と読む人の両方に手間がかかるので、続けるうちに中身が薄くなりがちです。

この記事では、自治体や医師会、税理士、上場企業などで5,000人以上にAI研修を行ってきたメイカヒットが、日報をAIで集計・要約する進め方を解説します。この記事を読むと、日報の項目のそろえ方と、1週間分を社長向けの要約にする頼み方が分かります。

記事監修者

久保田 亮(株式会社メイカヒット代表)
AI研修 のべ5,000人

久保田 亮|株式会社メイカヒット 代表取締役

【経歴・実績】
・自治体・医師会・税理士法人・上場企業などで、のべ5,000人にAI研修
・某教育委員会でAIコーディネーターとして活動中
・マーケターとして500社以上と取引
・元テレビ局の報道記者(5年)
・AIハッカソンで世界1位の実績あり(事業計画ツールを作成)
・AIとマーケティングが学べるサロン「メイカラ」主宰

目次

日報をAIで集計・要約するとは|書く・集める・読むの3か所で手間を減らすこと

日報をAIで集計・要約するとは、社員が書いた日報をAIにまとめさせ、読む人が短い時間で中身をつかめるようにすることです。AIに任せられる場所は「書く」「集める」「読む」の3か所です。

場所今かかっている手間AIに任せられること
書く1日のことを思い出して文章にする箇条書きや話した言葉を、決まった項目の文章に整える
集める紙やメールの日報を表に写す決まった項目ごとに一覧表へ並べ直す
読む全員の日報を1通ずつ読む1週間分を要点と困りごとにまとめる

当社では、社長や管理職の手間がいちばん減るのは「読む」の部分だと考えています。全員の日報を毎日読むのは難しくても、AIが作った週のまとめなら数分で目を通せます。

ただし、AIが日報の中身を正しく決めてくれるわけではありません。書かれていない中身は要約にも出てこないので、先に日報の項目をそろえるのが出発点になります。

日報のAI化から始めるとよい会社|5つのチェック

次の5つのうち、2つ以上に当てはまる会社は、日報の要約をAIに任せると手間が減りやすい状態です。

  • 日報を書いても、社長や上司が全部は読めていない
  • 人によって、日報の書き方や長さがばらばらになっている
  • 紙の日報を、事務の人がパソコンに打ち直している
  • 部材の不足や見積もりの遅れなど、困りごとが日報に埋もれて後で分かる
  • 日報を集めて月の報告を作る作業に、毎月時間がかかっている

どれにも当てはまらない会社は、無理にAIを入れる必要はありません。今の日報で困りごとが早く上がってくるなら、その仕組みはすでに役目を果たしているからです。

日報に限らず、どの仕事から手をつけるかを決めたい方は、自動化する業務の選び方で詳しく解説しています。

日報をAIで集計・要約する4つの手順

日報をAIでまとめる進め方を、次の4つの手順で解説します。

4つの手順

・手順1:日報の目的と読む人を決める
・手順2:日報の項目をそろえる
・手順3:書く手間を減らす入口を決める
・手順4:週に1回、AIに要約させて読む

それぞれ見ていきましょう。

手順1:日報の目的と読む人を決める

最初に、日報をだれが何のために読むのかを1行で決めます。目的が決まらないままAIに要約させると、まとめ方も決まりません。

目的の例は、次のようなものです。

  • 社長が、手配や判断が要る困りごとを早くつかむ
  • 上司が、新しく入った人のつまずきを知って教える
  • 事務が、作業の数や時間を集めて請求や原価に使う

目的が2つ以上あるときは、読む人ごとに要約を分けます。社長向けの要約と、事務向けの数の表は、同じ日報から別々に作れます。

手順2:日報の項目をそろえる

AIで集計するには、全員が同じ項目で日報を書くことが前提です。項目がそろっていれば、AIは同じ形の表やまとめを毎回作れます。

そのまま使える日報の項目のひな形は、次のとおりです。

項目書く中身書き方の例
日付と名前いつ、だれの日報か10月20日 佐藤
したこと現場や相手の名前と、した作業A様邸 給湯器の交換、午前で完了
困っていること止まっていること、足りないもの配管用の継手が残り少ない
お客さまの声相談や要望、次の約束換気扇の見積もりは後日と伝えた
明日すること次の予定C社の打ち合わせ資料を作る

項目は5つほどまでに絞ります。多すぎると書く手間が増え、空欄の日報が増えるからです。

手順3:書く手間を減らす入口を決める

日報を書く入口は、今のやり方を大きく変えない形を選びます。現場の書き方を急に変えると、日報そのものが出てこなくなるおそれがあります。

入口の例は、次の3つです。

入口向いている人気をつけること
スマートフォンの音声入力移動の多い営業や現場の人話した文をAIに項目ごとに整えさせる
入力フォーム項目をそろえたい会社選ぶ欄と書く欄を分け、書く欄は少なくする
紙の日報の写真紙をすぐにはやめられない現場読み取りの間違いを人が確かめる

日報をまとめる道具は、ふだんの生成AIに貼って頼む方法だけではありません。日報専用のサービスや、今使っている業務システムのAIの機能もあります。

まずは今あるAIで、週のまとめを数回作ってみるのが先です。項目と頼み方が決まっても入力や集計の手間が大きいときに専用のサービスを比べると、選ぶ基準がはっきりします。営業の日報や商談の記録をAIでまとめる方法は、営業のAI活用の進め方にまとめました。

当社がAI導入を支援するときも、紙の日報はすぐにやめず、紙から表へ写す作業からAIに任せる形で進めています。入力する項目を絞った小さな範囲で試し、うまく回ってから広げる進め方です。

手順4:週に1回、AIに要約させて読む

1週間分の日報がそろったら、AIに読む人向けの要約を作らせます。毎日ではなく週に1回にすると、AIのまとめを人が確かめる時間も取りやすくなります。

要約で出してもらうのは「今週の要点」「人ごとの一覧」「社長が判断すること」「本人に確かめたい質問」の4つです。具体的な頼み方は、次の見出しで紹介します。

要約を読んだら、気になった項目だけ元の日報を開いて確かめます。要約は入口で、判断の材料は元の日報です。

日報をAIで集計・要約する手順を、目的と読む人を決める、項目をそろえる、書く入口を決める、週に1回AIに要約させて読む、の4つの段で示した図

日報の要約をAIに頼む方法|頼み方と出力の例

日報の要約は、読む人と出してほしい形を決めて頼むと、毎週同じ形で出てきます。ここでは、実際に試した頼み方と、その出力をそのまま載せます。

材料の日報は、説明のために作った架空の例です。当社のお客さまの事例ではありません。社員12名の設備工事の会社で、3人が週の前半の3日分を書いた想定にしました。1週間分でも、同じ頼み方で使えます。

頼み方の例
社員の日報を、社長が3分で読める週のまとめにしてください。下の【日報】だけを材料にします。
【会社と読む人】
社員12名の設備工事の会社。読むのは社長。現場には出ていないので、各現場の細かい事情は日報でしか分からない。
【出してほしいもの】
1. 今週の要点(3つまで。1つ2文まで)
2. 人ごとの一覧表(列:名前/今週した主な仕事/困っていること・止まっていること)
3. 社長が判断や手配をした方がよいこと(日報のどの記述から言えるかを、かっこで日付と名前を添える)
4. 日報だけでは分からないので、本人に確かめたいこと(質問の形で)
【条件】
・日報に書いていないことは足さない。推測で埋めず、4の質問に回す。
・数字(件数、金額、日数)は、日報にあるものだけを使う。合計などの計算をしたときは、そのことを書く。
・人の良し悪しや評価は書かない。
・です・ます調で、1文は短く。
【日報】
10月20日 佐藤
・A様邸 給湯器の交換、午前で完了。お客さまから浴室の換気扇の音が大きいと相談あり。見積もりは後日と伝えた。
・午後は倉庫で部材の棚卸し。配管用の継手が残り少ない。
10月21日 田中
・C社と打ち合わせ。来年1月の改修工事の話。概算を今月中に出してほしいと言われた。
・Bビルのフィルター、発注はまだ。
(このあとに、3人の3日分の日報を続けて貼った。全9件)

この頼み方を、前の会話の流れがない新しい会話で1回実行しました。出力は全4項目のうち、1と3と4の一部を抜き出したものです。

出力の例(全4項目のうち、1・3と4の一部を抜粋)
1. 今週の要点
・C社から、来年1月の改修工事の概算を今月中に出してほしいと言われています。田中さんが作っていますが、過去の似た工事の資料が見つかっていません。
・配管用の継手が残り少なくなっています。22日の時点では発注しておらず、来週の現場で足りなくなるかもしれません。
・D様邸の水漏れは、床をはがす本格的な工事になる見込みです。D様は床の工事も含めて検討したいとのことで、床の業者さんの都合を聞く必要があります。
3. 社長が判断や手配をした方がよいこと
・継手の発注です。20日に「残り少ない」とあり、22日も「まだ発注していない。来週の現場で足りなくなるかも」とあります。(10月20日・佐藤、10月22日・佐藤)
・A様の換気扇の見積もりです。20日にお客さまから相談があり、21日の時点でまだ作れていません。(10月20日・佐藤、10月21日・佐藤)
4. 本人に確かめたいこと(田中さんへ)
・C社の概算は、今月中のいつまでに出す約束ですか。
・過去の似た工事の資料は、どの工事のものを探していますか。誰に聞けば分かりそうですか。

1人ずつの日報では「継手が残り少ない」と「まだ発注していない」が別の日に書かれており、続けて読まないと気づきにくい内容です。要約では2つがつながり、どの日のだれの記述かも添えられているので、元の日報にすぐ戻れます。

社員が日報を書き、AIが週のまとめを作り、人が元の日報と見比べて確かめ、社長が手配や判断をする、という日報の要約の流れを左から右へ示した図

頼み方で効果があるのは、「日報に書いていないことは足さない」「推測で埋めず質問に回す」の2つの条件です。この条件がないと、AIは書かれていない原因や見込みを足すことがあるからです。AIがもっともらしい間違いを書くことを「ハルシネーション」と呼び、防ぎ方はAIのもっともらしい間違いの防ぎ方で解説しています。

会議の記録も同じ考え方でまとめられます。録音から議事録を作る方法は、AI議事録ツールの選び方を参考にしてください。

日報にAIを使うときにやらない方がいいこと

日報のAI化でつまずきやすいところを、次の3つの観点から解説します。

やらない方がいいこと

・お客さまの名前や個人の情報をそのまま入れる
・要約を人の評価に使う
・日報を全部AIに書かせる

それぞれ見ていきましょう。

お客さまの名前や個人の情報をそのまま入れる

日報には、お客さまの名前や住所・社員の体調といった個人の情報が入りやすいものです。AIに入れる前に、会社が使っているAIのプランで入力した情報がどう扱われるかを確かめます。

個人情報保護委員会は、2023年6月に生成AIサービスの利用について注意喚起を出しています。会社向けの注意点の1つめは、次のとおりです。

個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること。

出典:個人情報保護委員会|生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(別添1)(2026年10月28日に確認)

確かめるまでは、お客さまの名前を「A様」のような記号に書きかえてから入れると安心です。ChatGPTのプランや設定ごとの情報の扱いはChatGPTの情報漏洩と会社で防ぐ設定に、社内の決まりの作り方は生成AIガイドラインの作り方にまとめているので、あわせてご覧ください。

要約を人の評価に使う

日報の要約は、困りごとを早く見つけるために使います。評価に使うと分かった時点で、社員は困りごとを書かなくなります。

先ほどの頼み方に「人の良し悪しや評価は書かない」と入れたのも、そのためです。要約にない頑張りや事情は、本人と話して確かめます。

日報を全部AIに書かせる

AIに任せてよいのは、社員が書いた中身を整えることまでです。何をしたか、何に困っているかは、本人が書く部分として残してください。

AIに1日の日報を最初から作らせると、もっともらしい文章が並ぶだけで、困りごとが上がってこなくなります。本人は箇条書きで短く書き、文章に整えるところだけをAIに任せると、書く手間と中身の両方を保てます。

日報 AIに関するよくある質問

日報をAIで書いても問題ありませんか?

本人が書いた中身をAIに整えさせるのは、会社の決まりの範囲なら問題ありません。お客さまの名前や個人の情報を入れる前に、使うAIの情報の扱いと社内の決まりを確かめてください。

日報の要約には、どのAIを使えばよいですか?

会社ですでに契約しているAIから試すのが近道です。道具の違いより、日報の項目をそろえて頼み方に「書いていないことは足さない」と入れるほうが、要約の質に影響します。

AIで日報を自動で作れば、日報を書かなくてよくなりますか?

おすすめしません。何に困っているかは本人にしか書けないので、本人が短く書き、AIは整えることと要約を受け持つ形にします。

紙の日報でもAIでまとめられますか?

まとめられます。紙の日報を写真にしてAIに読ませる方法がありますが、手書きの字は読み間違いが出るので、数字や名前は人が確かめてください。

日報の要約は毎日作った方がよいですか?

まずは週に1回で十分です。急ぎの困りごとは日報とは別に、その日のうちに口頭やチャットで伝える決まりにしておくと、要約を待たずに手配できます。

まとめ

  • 日報のAI化は、書く・集める・読むの3か所で手間を減らす
  • 最初に日報の目的と読む人を決め、項目を5つほどにそろえる
  • 書く入口は今のやり方を大きく変えず、週に1回AIに要約させて読む
  • 頼み方には「書いていないことは足さない」「推測は質問に回す」を入れる
  • お客さまの名前は記号に書きかえ、要約は評価に使わない

まずは今の日報を3日分集め、この記事の頼み方に貼って、週のまとめを1回作ってみてください。

日報のほかにAIに任せられる仕事を探したいときは、次の案内も参考にしてください。

AI研修・AI経営顧問|AIの使い方と社内のルールづくりを一緒に考えます(お問い合わせフォームへ)

メイカヒットでは、企業向けのAI研修と、AI経営顧問を行っています。

  • AI研修:社員の方が安全にAIを使えるよう、入力してよい情報の決め方や設定の確かめ方まで、実際の画面で操作しながら学びます。これまでに5,000人以上が受講し、自治体や医師会、税理士、上場企業などでも研修を行っています。研修の内容を見る
  • AI経営顧問:営業・事務・採用・社内の質問への回答など、会社の業務のうちAIに任せられる部分を、会社の仕組みとして作ってお渡しし、社員の方が使えるようになるまで一緒に進めます。

「うちの会社の場合はどう進めればよいか」といったご相談も、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。お問い合わせ種別は「AI導入・研修」を選んでください。

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